児童館にはいろいろな子どもたちが遊びに着ます。
7,8人でグループを作り、ガヤガヤと楽しそうに悪ふざけをしながらやってくる6年生。
「こんにちは。」と声をかけても「オース。」と低く小さな返事らしき声を出し、名簿に名前を雑に書き込み入館していきます。
ルール違反だと知りながら、おばさんの顔を見つつ、蹴ってはいけない幼児用のボールを蹴ってみたり、幼児用のおもちゃに乗ってみたりと、叱られるのを待っているような悪ガキグループです。
でもそんな悪ガキグループでもいいところがいっぱいあるのです。
悪ガキグループがカードゲームをしているのですが、なかなか決着が着きません。ゲーム最高潮の時、「5時ですよ。児童館が閉まります。片づけをしてください。」と職員の声が響きます。
そんな声どこ吹く風で、カードゲームに夢中の子どもたち。そこへ「早く片付けて!玄関の鍵かけるよ。」のおばさんの声に、「おばさんもうちょっと待って、すぐ終わるから。」と懇願の声。「それじゃー、あと5分だよ。その代わり(戸締り、片付けボランティア)やってく?」と言うと、「やってく。やってく。」と、手と頭と目はゲームに夢中の空返事。
ゲームが終わって子どもたちは約束どうり、児童館の窓の鍵をかけ、ロールカーテンを下ろし、床のモップがけをしてくれるのです。
「ありがとね。ボランティアしてもらうと助かるよー。」と声をかけると
「おばさん、学校の先生に言っといてよ。」
「うん。言っとくよ。(森小の子たちが、いつも片付けボランティアやってくれて、とても助かっています。)って校長先生に言っとくからね。」
「ちがう。ちがう。○○と○○と○○がって名前ちゃんと言ってくれなくちゃだめじゃん。」
「でもさー。誉めてもらわなくちゃ出来ないボランティアなんて変じゃない?」
「変じゃないよー。あったりまえじゃんなー。「うん。」「そうだよなー。」
と、私との会話が弾み床はピカピカです。
また、ある時は。
「今日、ボランティアやってくれる?」の問いに
「おばさん、床掃除やったら何かくれるー?」
「ないよ。ある時はあげるけど、今日は何にも無いからなし!」
「手伝ってもらって何にも無しはないよなー。」
「みんな、何かもらわなくちゃ動けないなんて、猿回しの猿みたいじゃん。おばさんのお礼の言葉だけで我慢しといて。」
そんな会話で床はピカピカです。
また、ある時は。
「おばさん。こんなとこにガム付いてる。」
「あれー。○○君じゃないの?犯人。」
「何で俺になるだー。」
「だってさっき噛みながら遊んでいたじゃん。」
「俺はちゃんと飲んじゃったよ。」
「こうやって疑われるから、(ガム噛みながら遊んじゃダメ。紙に出しなさい。)って言ったんだよ。みんなに(ガム噛みながら遊ぶの禁止)って言っといて。」
「なんで、掃除して叱られなくちゃいかんだー。おばさんの頭ってわけ解らん。」
こんな会話で床はピカピカです。
カーテン下ろしや、床掃除のボランティアが終わると、
「ありがとねー。助かったよ。玄関に鍵かけまーす。急いでくださーい。」と子どもたちはボランティアをしたにもかかわらず追い出されるのです。
「気をつけて帰ってよ。明日も待っているからね。」の職員の声に、
「明日は来ないよ。」「絶対、こないでー。」「明日は野球だよ。」「これたらね。」などと、彼等流のあいさつで帰っていきます。
彼等は、おばさんに叱られながら、何度床掃除をしたことでしょう。私は、彼等とこんな取り留めの無い会話をし、何度楽しんだことでしょう。
4時50分頃になると、必ず黙って片付けもせず帰っていく小学生や大人たちが多い中、また、内申点や先生の評価をもらうために、いやいやながらボランティア活動をしている中学生や高校生が多い中、彼等のボランティアは本物のボランティアのような気がしてなりません。
森町で整体やってる増田さんという人がいて、アフリカの子供達に毛布を・・・・というボランティアを宗教のようにやってますがインチキくさいです。整体もうけましたが、やはりインチキでした。
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