お菓子が並んだ射的の棚に、何度も何度もライフル銃でコルク玉を撃つのですが、誰一人お菓子を撃ち落せずにいました。お菓子が目の前にあって、撃ち落せば食べられるのですから子どもたちは必死です。
繰り返し挑戦し、それでも撃ち落せない子どもたちは、順番を待ちながら、「これじゃ当たるわけないじゃん!」「お菓子見せてるだけだら!」「もっと前で撃たせてよ。」と口々に文句を言い始めていました。
射的コーナーを通りかかった私が、子どもたちに向かって言った、「みんなが下手だからお菓子が貰えないんじゃないの。食べたかったらもっと頑張れ!」の一言に、「おばさんだってやってみりゃー解るじゃん!」「いいよ。取ってやる!」と猛反発でした。
そんな子どもたちを尻目に、私は他のコーナーで遊んでいると、射的コーナーから大きな声が聞こえてきました。
「お願いします。もうちょっと前で撃たせてください。」と、10人位の順番待ちの子どもたちが声を揃えて、射的コーナーのボランティアのおじさんに頭を下げながらお願いしているのです。
お願いされたおじさんも「そおか、それじゃ少し前に出すか。」と言いながら、困り笑顔で射的台を動かし棚との距離をほんの少し近くしてくれたのです。
すると子どもたちは、「やったー!」とジャンプをしたり、手をたたいたり、ガッツポーズをしたりと大喜びです。
その騒ぎの様子を周りで見ていた子どもたちは、何事かとあっけにとられて見ていました。
勿論それからは食事コーナーで、周りの子どもたちに撃ち落としたお菓子を見せびらかしながら、おいしそうに食べている子が何人かいました。
子どもにだって、文句ではなく、自分たちの意見として訴えれば、おじさんを動かし、ルールを変えることが出来るんだと、あの子たちは行動で示し、周りの子どもたちもそれを見ていました。
小さな意見も、人を動かし、地域を動かし、国を動かし、はたまた世界をも動かすことが出来るのではないかとこの子たちを見て感じました。。
森町の山里からいつの日か、日本や世界を動かす子どもたちが育ってくれることを期待しています。
家庭では体験できないこんな貴重な体験、外にはいっぱいあります。
やっぱり子どもたちを外に出しましょう!!